2006-01-01から1年間の記事一覧

『産霊山秘録』半村良

村上龍は、様々な職業を経ていよいよ最後になる職業というものが『作家』だと言ったが、「紙問屋の店員をはじめバーテンダー、クラブの支配人など三十近くの職業を転々とした」半村良ほどその意味にピッタリの作家もいない。 さて産霊山秘録(むすびやまひろ…

龍の棲む日本:本

日本が巨大な龍に! いまさらYAIBAを持ち出すまでもなく、日本とは古来竜の棲む国であったのではなかろうか、とかなんとか云々。 日本各地に点在する『龍』の伝説を網羅的に解説する一書…ではなく、中世日本の国土感覚を『行基式日本図』という謎めいた地図…

石川賢:永遠の先へ

『石川賢』という才能がこの地上から私達の眼に見えない場所へと旅立っていった。 一体この才能が、日本のサブカルチャーに与えてしまった影響をどのような方法で測定すれば良いのだろうか? そしてまたそれが去って行ったということは、どれほどの損失なの…

黒塚‐KURODUKA‐(本

黒塚作者: 夢枕獏出版社/メーカー: 集英社発売日: 2000/08/25メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見るすっかりと寒くなってきて、日本海側は雷やら霰やらがドカドカ降ってくる季節になってしまった。おかげで家に引き篭もりがちに…

上段の突きを喰らう獅子:本

慶応四年のハラキリ (集英社文庫)作者: 夢枕獏出版社/メーカー: 集英社発売日: 2000/10/20メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (5件) を見る夢枕獏短編集である。 どどうどうどどどう。 これは獏だ。 夢枕獏にしか書けない作品集なんだよ。風…

上弦の月を喰べる獅子:本

上弦の月を喰べる獅子〈上〉 (ハヤカワ文庫JA) 上弦の月を喰べる獅子〈下〉 (ハヤカワ文庫JA) 嗚呼、『上弦の月を喰べる獅子』だ! 素晴しいじゃないですか! このタイトルだけでもうご飯十杯はおかわりできそうなほどに素晴しいイメージが肉の埋から湧き上…

本日一言(戯言

宇宙柳生の小説でも書いてみたい喃。 などと思いつつ、ラリイ・リーヴン先生の『リングワールド』が読みたい。天下のAmazon様では『リングワールド再び』や『玉座』は新品で扱ってるのになぜかシリーズ第一作はユーズドのみ…。カード作ってないから買えねェ……

柳生十兵衛-時代小説英雄列伝-(本

柳生十兵衛―時代小説英雄列伝 (中公文庫)作者: 五味康祐,縄田一男出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/02メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る 五味の柳生か柳生の五味か、と謡われた緒柳生の根源五味康祐の作品…

魔界転生(石川賢版)(本

魔界転生 (講談社漫画文庫)作者: 石川賢,山田風太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/11/12メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 92回この商品を含むブログ (26件) を見る+もうホントね、コレはヒドイ(;゜Д゜) 世に柳生はひろしといえど、これほどヒド…

ミャンマーの柳生一族(本

ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)作者: 高野秀行出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/03/17メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 63回この商品を含むブログ (50件) を見る ミャンマー柳生恐るべし!/(;゜Д゜)いや恐ろしいのはそんな発想をしてしまうア…

柳生病闘病記1

病原体Lv4/今気が付いたのですが僕は『柳生病*1』に侵されております。そこで闘病生活の記録を断続的ながらつけたいと思います。本日は恐ろしい『柳生病』の恐怖の片鱗をかきとめたいと思います。この奇怪な病の理解に微力でも貢献できれば幸いです。 柳生…

ドラスティックマイソウル

他人と話していて、たまに憤懣やるかたない時があるのですが、それはどういうときかといいますと「ものの好みは人それぞれ」という言葉で、何かの作品の善し悪しについての会話を打ち切られてしまうことなのですよ。好みは人それぞれ、というのはまったき真…

テッカマンヤギュー

人間の想像力というのは、無限大だと僕は思っている節があるのです。世の中には少女幻想、植民地幻想、東方幻想、吸血鬼幻想など様々な文化集団で共有されている人間の空想のカテゴリーが存在します。それは旧来のムラ社会において(ry、なわけですが、確実に…

太郎と嘘の種類考

良いウソ/物語というのは、ドキュメンタリーでは無い限り基本的に『嘘』です。優れた『物語』とはつまり優れた『嘘』をいかにしてつくのか?という事に或る程度は換言する事が出来ると思います。そうした観点から作品を評価するとした場合、私達の目の前の…

『異境』の神々

ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫FT) 最近読んで印象に残った本『ぺガーナの神々』についてぼちぼちと 世界カーン→オーム あらゆるファンタジーに欠かせないのは『幻想性』であり『異界性』ではないでしょうか(まぁ、そんなことは当たり前ですが)。そこで、恐怖…

泡状流言論

そもそも、面白くないブログなど書いても誰も幸せになれないのです。 m○xiなどでもいえる事ですが、自分の好みに合わせた記事など書いてもダメなのです。世の中には二種類の人間がいて、自然と人を楽しませてくれる人と、努力して人を楽しませてくれる人です…