テッカマンヤギュー
人間の想像力というのは、無限大だと僕は思っている節があるのです。世の中には少女幻想、植民地幻想、東方幻想、吸血鬼幻想など様々な文化集団で共有されている人間の空想のカテゴリーが存在します。それは旧来のムラ社会において(ry、なわけですが、確実にこの世に存在する幻想、日本においては『忍者幻想』と並ぶ伝奇小説会最強の幻想、それが『柳生幻想』です。忍者幻想は海外においても強いですが、柳生幻想は恐らく国内オンリーだとおもいます。江戸期の講談の時代から、連綿と続く柳生幻想*1。多分書く人が書けば、マジで本一冊くらい余裕で出せてしまうんじゃないかと思うのですが、以来日本の伝奇小説家にとって『柳生』は特別な存在として幻想されてしまうらしいのです*2。日本といえば?フジヤマ?ゲイシャ?ノーノー、ヤギュー!!これくらいの強プッシュです。
近代伝奇小説に登場する柳生一族は、将軍家剣術指南役だけでなく、ほぼ確実に隠密集団『裏柳生』仕様です。剣術だけ教えてれば良いってもんじゃないのです。影に日向に徳川幕府を護らねばなりません。そうして90%真っ黒な陰謀史観に基づく柳生一族の暗躍史は、読んでいて「こんなことばかり書いてるけど作者さんたちの歴史認識は大丈夫なのか*3」などという心配は軽く通り越して「コレが現実にならねぇかなあ」とか思って書いてるだろお前ら!とか思えてきます。
いやむしろ、気が付くと現代ではミャンマー柳生*4という言葉が存在してみたり、朝鮮妖術師とボディーチェンジ*5されてみたり、魔界に転生*6されられてみたり、萌えキャラになってみたりと――いやもう何を言ってるのか自分でも良く分からないのですが――時間空間ともに活動範囲が広すぎます。その内銀河系の果てまで進出した宇宙の剣豪テッカマンヤギューとか出てきそうだと思っているのですが、既に存在している可能性の方が高く、怖ろしくて調べる気にもなれません*7。
太祖柳生石舟斎から宗矩、如雲斎、十兵衛、連也斎…血縁の皆さんはもちろん柳生新陰流の門弟は90%フィクション大魔王の餌食にされてるんじゃないでしょうか? 敢えて断言しましょう、日本で最も愛されているキャラクターは柳生一族だと。
いやもう、何でこんなこと思いついちゃうのかなあ、この人たちは…。